愛しい君に何度でも




キリッと奏多を睨みつけ、しおりに気が向かなくなった私は欠伸をして伸びた後、黙々と進める奏多に話し始めた。




「…ねえ、奏多ってさー」


「んー?なんだよ」



奏多は作業する手を止めて話し始めた私を見た。

そして私も奏多を見る。





「ゆずのこと、好きなの?」




誰もいない教室に私の声が響き、外からはグランドにいる部活をしている人たちの声が微かに聞こえてきた。



奏多は私の話を聞くと時間が止まったように動きを止めているようで、息もしていないように見えた。



____図星かな?



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