(完)ずっと君といれるなら 〜再会〜
「どれがいい?」

「これこれこれこれーーーっ‼︎」

公開中の映画の写真を貼ってある所で立ち止まり、雄也が視線を私がさす方へ向けた。

幕末の剣士の物語で、結構グロテスクな映画。

女子高生が観るもんじゃないだろう。

だけど、こういうの大好きなんだあ。

『命を懸けて戦う』みたいな!
その姿に幼い頃魅了されてから私は映画はこういうのしか観ない。




「え…これ?」

驚いたような表情で私を見つめる雄也。

「うん‼︎」

呆れたように後ろ髪のあたりを掻いて、そして小さく溜息をついて言った。

「まっ、葉月らしいっちゃ葉月らしいな。んじゃそれでいっか。」


軽く頷いてチケットを購入するカウンターへ向かった。


雄也はこういうの好きじゃないのかな?



海斗だったら一緒に興奮出来るのになあ…。







ホントやだ。





何をしても、海斗と比べたりしちゃう私がいる。


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