(完)ずっと君といれるなら 〜再会〜
そんな時。


「おおっ!!」


ベンチからスタンドへざわめきが伝染する。


「おっし!!」


監督も緊張がほぐれたような柔らかい笑顔を見せた。


海斗が迫ってくる敵と敵の間を通してすぐ近くにいた1年の滝本くんへパスを出した。

誰もがこのまま海斗がボールを持ち続けるであろうと思っていた。

私だってそう思っていた。

正直に、海斗は今まで自分が一番目立つようなサッカーをしてきたから。


海斗に守りを固めていた相手チームは必死に滝本くんをおうが、いまさらだ。

滝本くんは海斗や蓮の次くらいの俊足の持ち主だ。

元々、陸上をやっていたらしいし。


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