(完)ずっと君といれるなら 〜再会〜

「うええええっ…。」

口を押さえて下を向く。

「葉月ちゃん大丈夫？」

「葉月さん大丈夫ですか？」

隣に座る咲絢さんと通路を挟んで向こう側の結衣ちゃんが心配そうに顔を覗き込んでくる。

今日から県大会。
バスで会場へと移動中なのだが、乗り物酔いが歳を重ねる度に悪くなって行く私は、止まることのない吐き気、頭痛と戦っていた。

「あと30分くらいだから我慢できる？」

「はい…。すみません。」

「いいのよ。好きでなってるわけじゃないんだから、気にしないで。」

大丈夫なんて行ってみたけど、そんなの嘘。

このまま30分も乗ってなきゃいけないなんて辛すぎる。

余計に頭が痛くなってくる。

「うっ…。」

もどしたときのための袋を片手にうつむいていた。