(完)ずっと君といれるなら 〜再会〜
そして、さすがに今日は海斗も自転車ではなく、一緒に電車に乗り込んだ。

また、眠り込む海斗。

乗客は少なく、席はすごく余裕があった。

いつもなら絶対しないけど、今日は本当に疲れてるみたいだったから、膝の上に頭を乗せてやった。

いわゆる、膝枕ってやつ。

静かな寝息を立てる海斗。

小さく微笑んでつぶやいた。

「お疲れ様。かっこよかったよ。」

サラサラの髪を撫でて遊ぶ。

私以上にコイツ睫毛長いんじゃない?

「ん…。」

眉をしかめて寝返りを打とうとする。

「は…づき。」

「なっ…起きてんの…っ?」

バッと手を離し頬を赤らめるが、起きそうな様子ではない。

寝言?

なんで。

顔が赤くなっていくのがわかる。

暑くなってきたし。






やっぱ、私海斗が好きだ。





再度、自分の気持ちを自覚し頬に両手を被せて、どうにか体温を下げようと試みた。




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