エレベーター
団地

自殺の名所

『まったく、香織ってば失礼しちゃう…』


どんよりした空を見上げてわたしはつぶやいた。


7月の半ば、高校に入って初めての夏休みを目前にしていた。


今日も学校帰り、いつものように友達の香織と軽くお茶をして、帰路につく。


香織とお茶しながら、初めての夏休みの計画を立てていた。


『海にでも旅行に行きたいね』


と盛り上がったが、旅費のこととかうるさい親のこととかいろいろと問題があった。



『じゃ、せめてウチに泊まりに来ない?』


わたしは提案した。
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