エレベーター
『そう、真由ちゃんが来たの…。』

目の前で、その女の人が一人、ぶつぶつと何か話している。


『じゃあ…、正幸さんは、ここからいなくなってしまうんだわ…。』


…正幸さんって、確か、真由ちゃんの死んだパパの名前?



うらやましい…
わたしは…
ここに…
ずっと…!!



女の人の一人言にわたしは身震いし、全身に鳥肌が立つのを感じた。

わたしは静かに後ずさると、早足でその女の人の前から立ち去った。




< 14 / 63 >

この作品をシェア

pagetop