エレベーター
恐怖のあまり、足が動かない一。
コツ…
コツ…
コツ…
おじいさんは表情一つ変えずに階段を降りてくると、そのままわたしとすれ違う。
すれ違うその時、
『足はまだある…。』
わたしに向かってニヤリとそう呟くと、もう一つの腕で、わたしの肩を軽く叩く。
叩かれたわたしの肩から、おじいさんの小指がポトリと崩れ落ちる一。
ドサッ一
わたしの震える肩から、通学カバンがすべり落ちた一。
・
コツ…
コツ…
コツ…
おじいさんは表情一つ変えずに階段を降りてくると、そのままわたしとすれ違う。
すれ違うその時、
『足はまだある…。』
わたしに向かってニヤリとそう呟くと、もう一つの腕で、わたしの肩を軽く叩く。
叩かれたわたしの肩から、おじいさんの小指がポトリと崩れ落ちる一。
ドサッ一
わたしの震える肩から、通学カバンがすべり落ちた一。
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