エレベーター
悲鳴を上げたが声にならず、わたしは口をぱくぱくと動かした。



クク、と中西さんは短く笑うと、



『まあ、眼球だけでも残るから、まだマシかしらね…。』



『マシ…?』



『ここから出れても、天国に行けないような人…。例えば殺人とかの罪を犯した人は眼球すら残らないから。』


一何も見えない真っ暗闇の中で、光を求め永遠にさ迷い続ける一




『見えるから、まだマシ…美香ちゃんも、そう思わない?』



中西さんは、眼球だけになったおじいさんをうっとりと眺めながら、そう言った。



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