エレベーター
『お姉ちゃん!行かないで!!』


真由ちゃんが泣き叫び、追い掛けてくる。



わたしの頭の中に、うるさいくらいに警報が鳴り響き、わたしは足を止めた。




『美香ちゃん!早く!こっち!』


中西さんが、わたしの頭の中の警報を掻き消すように強く叫び、わたしを手招きした。


わたしはそのユラユラ揺れる白い手に誘われるように、エレベーターに向かって歩き出した。





< 38 / 63 >

この作品をシェア

pagetop