エレベーター
『パパ!!!』
真由ちゃんはわたしの腕をすり抜け、真由ちゃんのパパに抱き着いた。
『ただいま。真由。』
真由ちゃんのパパは、優しい眼を真由ちゃんに向け、愛おしむように自分の娘を抱きしめる。
その暖かい光景に、わたしはホッとした。
一一一恨みを晴らす、なんて、そんなことあるはずない。
『復讐はうまくいったのかしら?』
真由ちゃんのパパは、からかうようにそう言う中西さんを一瞥し、優しく真由ちゃんに言った。
『真由。行こうね。』
そしてわたしに、出口は屋上にあります、と言った。
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