エレベーター
真由ちゃんのパパに着いて行き、わたし達は屋上に立つ。


ついさっき学校帰りに下から眺めたフェンスが目の前にあった。


『あのフェンスの切れ目のところから跳ぶと、生きてる者は生きてる者の世界へ、死んでる者は死んだ者の世界へ行くことが出来ます。』


真由ちゃんのパパはフェンスを指さしながら、わたしに言った。

サラ…と、指した人差し指が風に流れ、消えた。



『パパ。あそこから天国行けるの?』


嬉しそうに、真由ちゃんが言った。


『そうだよ、真由。』


『美香お姉ちゃんもよかったね!帰れるよ!』



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