エレベーター

『階』

わたしは、自殺した一一。


あの夜、屋上のフェンスの切れ間を飛び越えた後、またエレベーターに乗りこの『階』に来た。



この『階』に来た時、中西さんはもう、此処にはいなかった。



多分、真由ちゃんのパパと同じところへ行ったのだろう。



一此処は、淋しいわ一



中西さんの言っていた言葉の意味が、今のわたしにはよくわかる。


そろそろ、わたしの指が崩れてくる頃一。



このまま一人きり、ひっそりと崩れていくなんて、たまらない一。






< 62 / 63 >

この作品をシェア

pagetop