空に想うのは
01, 真っ白な雲
「ねぇ、裕隆ぁ…。」
私は芝生の上に、寝ころびながらそう言った。
すると裕隆は、本から視線を逸らさず
「なに?」
と少々ぶっきらぼうに言った。
私は少しムッときたものの、話しを続ける
「あの雲ってさ、綿飴みたい。」
「何だよ、子供っぽい事言って…。」
「…どーせ私は子供ですよぅ。高校生には見えないぐらいの、童顔だしねっ!」
すると裕隆は苦笑する。
「自覚してんじゃん、童顔だってこと。」
「…こら、裕隆っ! 言わすなよ!」
私は裕隆をポカポカと優しく、叩いた。