空に想うのは
01, 真っ白な雲
  


「ねぇ、裕隆ぁ…。」

私は芝生の上に、寝ころびながらそう言った。
すると裕隆は、本から視線を逸らさず

「なに?」

と少々ぶっきらぼうに言った。

私は少しムッときたものの、話しを続ける


「あの雲ってさ、綿飴みたい。」

「何だよ、子供っぽい事言って…。」

「…どーせ私は子供ですよぅ。高校生には見えないぐらいの、童顔だしねっ!」

すると裕隆は苦笑する。

「自覚してんじゃん、童顔だってこと。」

「…こら、裕隆っ! 言わすなよ!」

私は裕隆をポカポカと優しく、叩いた。







< 1 / 7 >

この作品をシェア

pagetop