空に想うのは


きーんこーんかーんこーん……


「あっ!やば!チャイム鳴っちゃったじゃん!裕隆、行こう!」

私は強引に裕隆の手を引いた。
すると裕隆は、本をパタンと閉じて私の手を握る。


……高鳴る私の鼓動。

ほんのちょっぴりどきどきした。
手から伝わってくる、裕隆の温度。私は裕隆を直視出来なかった。


「おい、真帆っ!もっと走れ!」

「ちょ、裕隆!私は乙女だよっ?!そんな早く走れる訳無いでしょー!」

「お前、乙女じゃないじゃん。」


「はぁぁぁぁぁ!?」

私は迷わず裕隆に、鳩尾パンチを食らわせた。

すると裕隆は、悲痛な声を漏らしながら走る。






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