空に想うのは



「はぁっ…!あ、ぎりぎりせーふ!」

私達は教室内を見渡すと、先生の姿は何処にも無かった。

ラッキー、と私は笑みを零していると
後ろから、教科書の様なもので頭を叩かれる。

バシンッ


「こら。遅れてるぞ、10分も。」

後ろを振り返ると、数学の先生が険しい顔で私達を睨んでいた。

私達は、苦虫を潰した様な顔で席に着いた。


「さぁー、やるぞ。っつってもあの二人のせいで、あと35分間しか無いけどな。」

うっ…。罪悪感が…
先生も意地悪だなぁ…。後ろに隠れててさ
ついついラッキーと言わんばかりに、喜んじゃったじゃん。

私は頬を、風船の様に膨らましながら数学の教科書を開いた。







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