すきの、チカラ
すきの、チカラ
『ナイスリバーン!!速攻!!』
『ディフェンス戻れ!!』
・・・あ、いいな、って。
彼のことを、意識した瞬間。
それは、バスケのディフェンスをしている姿を、見たときだった。
高校に入学して、まだ日が浅いころ。
放課後の体育館。女バスの輪から見た、男バスの、練習風景。
あ、あの男の子、すごく上手いなぁって。
とても背が高いのに、腰を低くおとすなぁって。
まるで、攻めがどう動くか全部わかってるみたいにカバーするなぁって、思って。
その後に、気づいた。
・・・その子が、すっごくカッコいいってことに。
『葉山くん、いいよねー!!』
レンアイごとにニブいわたしでも、気づいてしまったくらいだ。
女子はみんな、とっくに、葉山くんに目をつけていて。
教室の中。渡り廊下。女バスの部室。
いろんな場所で、葉山くんのウワサが、飛び交っていた。
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