約束〜ずっとずっと君だけを〜



冷静に考えてよかった。


たぶん、冷静に考える暇なかったら、
気づかないふり、続けてた。


それに、ちゃんと気づいたのが今でよかった。

夏樹とすぐにばいばいできてよかった。


だって、もし話してるときに

気づいたら、気づいちゃったら


うちはたぶん夏樹とまともに話せなくなってた。



それで夏樹を困らせて終わり。



ほんとに、それだけは避けたかったから。



よかった。



でも、なんで、今なの。



「…っなんで、今なの?」


気づくと、心の声はもれていて、
声にだしていた。


たぶん、それだけ言葉が溢れてるってこと
なんだろう。


気づかなかったけど、涙も流れてた。


次から次へと。


まるで枯れることを知らないように。



それにしても、、、



「うち、ほんとはこんなに…」


途中まで言って、やめた。


今はまだ言っちゃだめだ。


うちにはまだ、この言葉は言えない。



だから……



“今日、卵買いにいってほんとによかった”


今日の結論はそこで止めておこう。


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