約束〜ずっとずっと君だけを〜
その後、みんなは珍しく静かに先生の話に耳を傾けていた。
その先生の話によれば、莉香は今日の朝、普通に家を出たらしい。
でも、学校には来ていない。
そして、莉香の母親によると、
莉香のケータイが家にないらしい。
しかし、俺らの学校は普通にケータイの
持ち込みは校則違反だ。
そして、莉香はケータイを持ち込むような生徒ではない。
つまり、もともと学校に行くつもりはなかったということだ。
…じゃあどこに行ったのか。
それは俺にも分からない。
「…誰か橘の行き先に心当たりないか?」
先生は必死にみんなに問いかけている。
けど、若林を含め、みんな莉香のいきそうなところに心当たりはないらしい。
「…そういえば、、、
橘、昨日1日泣いてたらしーぞ。しかも
なんか、なんだったかな。“なっちゃん”?
とか言ってたそーだ。」
橘のお母さんが言ってた。
と先生がいった。
俺は耳を疑った。
だって、“なっちゃん”は俺の小さい頃の
あだ名で、、、
でも、莉香は俺のこと、覚えていないはず。
覚えてても、俺だとはわかっていないはず。
……いや、まてよ。
もし、仮に莉香が俺のことを思い出したとしたら。
きっとわからないことが多すぎて
戸惑うだろう。
その後、莉香だったらどうするか……?