約束〜ずっとずっと君だけを〜
俺にはわかってしまった。
もし莉香があの頃の心をまだ
持っているとすれば、
きっと莉香は探しにいくだろう。
小2の時の記憶のかけらを。
たぶん、思い出の場所へ。
俺は今すぐにでも莉香のところに
行きたくなった。
でも、今、先生にこのことを言ったら、
確実に俺は連れて行ってもらえないだろう。
だから、先生。
ごめん、今回だけ許してよ。
「先生…こんな時に悪いんですが、体調が悪いので帰ってもいいですか?」
俺は先生に嘘をついた。
今日は心は重いけど、すばらしいほどに
元気だ。
でも、そんなこと、今の先生は冷静に
判断できるわけなくて。
「ん?あ、あぁ。いーぞ。けど、すまん。今はこの通り大変で送れないけどいーか?」
「大丈夫です。」
俺はそれだけ言って、教室から出た。
そして、向かう場所はただひとつ。
俺らの思い出のあの公園へ。