約束〜ずっとずっと君だけを〜


「ほら、“ただいまー”っていえよ。」


なっちゃんがうながしてきたから


おそるおそる、


「た、ただいまー、、」


って言ってみる。



いつもよりも声は小さかったんだけど、


お母さんはすぐに反応してくれて、


バタバタとリビングから出てきて、


「莉香っ!!!」


と言って、抱きついてきた。





鼻をすする音が聞こえてたから、

たぶんお母さんは泣いてたんだと思う。




お母さんを心配させたんだなぁと実感する。


「すごい心配したんだからね!
昨日、ずっと泣いてたし……」



「ごめん。」



うちは一言そう言うと、お母さんを
引き剥がした。



その時にやっとお母さんはなっちゃんの
存在に気がついたみたいで…



「…あら?この子は…………あ、、、

もしかして、夏樹くん?」




お母さんは一発で当ててしまった。


うちは時間がかかったのに。



「うん、そうなんだ。公園で1人でいるとこ見つけてもらって、、、
ここまで着いてきてもらったの。」



うちがそう言うと


「お久しぶりです。こんな再会になって
しまい、すみません。最近またこの街に
戻ってきたんですよ。」



なっちゃんは軽い挨拶をした。




「せっかくだから、あがっていってよ。
莉香の話もあるし…お礼もあるし…
ケーキでも食べてって?」



「はい!ぜひ、そうさせていただきます。」


なっちゃんは笑顔で答えると、

お母さんと話しながら2人で先にリビングに行ってしまった。






「うちのことは放置ですか……」


そんなうちのつぶやきは2人に
聞こえるはずもなく、



「早く莉香もこいよ。」


ってせかされて、


リビングに入ったけど、、、



この家、なっちゃんじゃなくて、
うちの家なんだけど…


って思ったのはまぁ、秘密にしとこうかな。


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