君にドキドキする瞬間
私が大前君の事を好きだから、……ドキドキしたの?
大前君の事は、優しくてイケメンで。
でも、私とは飲み友達で。
意外に気があって。
一緒に居ると凄く楽しい。
それに今もまだ、凄くドキドキしてる。
「す、……好きなの…かも」
かも。なんて付けてみたけど、そんなの要らない位好きって気持ちが胸に溢れてくる。
「こういうのはさ、好きな奴からされなきゃドキドキしねぇんだよ」
「そ、そっか」
壁ドンってシチュエーションには憧れるけど、誰でも良いってわけじゃない。
好きな人からされるから、ドキドキするんだ。
不意に大前君の顔が近付いてきた…と思ったら、耳へ寄せられた唇。
吐息が聴こえる。
ただでさえドキドキしてるのに、そろそろ心臓が壊れそう。
そして吐息と共に、
「だから、俺もすっげードキドキしてるしな」
そう呟かれた。