許婚でたまるか!
すると。



バサバサバサッ!!




あ!



本が床に落ちた!


「……っ。あぁ〜!またやっちまった…。猿を起こさねぇようにしないとな………。」




!!!!!




アイツ、まさかっ!!!



「物理は間に合いそうだな。あとは………。」


「……っ!」



やっぱり!!



アイツ、自分のテスト勉強してる!!!







それは約12時間前のことーーー


「なぁ!お前、あたしの勉強みてるけどさ、お前も期末あるんだろ?!勉強しなくていいのかよ?」


「なんだ?俺の心配してくれてんのか?猿らしくねぇな。」


「な、なんだよ!!普通はそう思うじゃんかっ!!!……まさか!お前、あたしの勉強教えるのにかまけて、自分の勉強サボる気だろッ!!?そうだろ!!?」


「俺はお前と違って“人間”だからな!頭のつくりがまず違うし。それに俺はいつも試験は“学年トップ”だから!」


「はぁ!!??嘘だろ!!?」


「俺は勉強しなくても、記憶力がいいからな。嫌でも頭に入っちまうんだよ。…んなことより、今は手を動かせ!残り30秒ッ!」


「うわっ!マジかよ!?」








………………アイツ。




あたしは冴木の背中をもう一度見た。
< 134 / 264 >

この作品をシェア

pagetop