許婚でたまるか!
あたしのこと、散々馬鹿にしてたけど……。





『なにがなんでもこの二日間でお前の成績を上げるぞ?!寝る間も無いと思えッ!!!!』





あんなこと言ってたくせに、しっかり寝かせてくれてんじゃん…!


それに、今考えたら昼食も夕食も冴木が作ってくれた……。


あたしが、“手伝う!”って言っても……、





『猿は猿らしくそこで座ってろ。居ると逆に邪魔だ。』






って……。



あたしを邪険にしてたけど、その分勉強に集中させてくれたんだ……!



「…………………………ありがと。」


あたしは冴木の背中にそう言葉を投げかけると、静かにその場を去った…。








それから一時間後のこと。


「猿!!朝だ!起き…ろ……。」


ヒロが美香の部屋を訪ねると、美香の姿は無かった。


「あいつ、どこ行ったんだよ?」


すると一階から物音がしてきた!


「なんだ……?」


ヒロは階段をおりていき、リビングを覗いてみる。
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