許婚でたまるか!
すると。



「ほら。食ってみろ。」


と、冴木が玉子焼きを箸でつまんであたしにさしだしてきた!!



こ、これはっ!!!




「おい、どうした?口開けろよ。」



ちょ、ちょっと待てよ!!



かかかか間接キッスになっちまうっ!!


あたしは慌てて断った!


「い、いいよ!!自分で食」


「ほら!サッサと“あーーん”、しろ。悪いと思ってるなら今すぐやれ!!」


「むぐっ!!?」



“あーーん” をする前に冴木があたしの口に玉子焼きを押し当てて、
そして強引に口の中に玉子焼きを突っ込んだ!



モグモグ。



うっ!


やっぱりマズイ!



あたしは瞬時にそう思った。




だけど。





「な?美味いだろ?」


と、冴木は目を細めてあたしを慈しむような眼差しを向けてきた!!



ドキッ




その予想外の冴木の笑顔に、あたしは胸が高鳴った。


と、同時に頬に熱が灯るのも感じる…!
< 139 / 264 >

この作品をシェア

pagetop