許婚でたまるか!
って!

今はそんなことどうでもいい!!


「お母さん、冴木居ないの!?アイツ帰宅部だからもう帰ってきてるはずだろ?!」


「ヒロ君?まだ帰ってきてないわよ。」


「え!!?もう8時だぜ?!アイツどこ行ってんだよ?!!」


「そうねぇ~。確かに帰りが遅いわねぇ~。…美香!あんたちょっとヒロ君迎えに行ってきなさい!」



ゲッ!


嫌な役頼まれちゃったよ…!


あたしは母親に一応反抗してみる。


「なんであたしが!冴木だってもう大人のなりかけ野郎なんだから心配いらな」


「美香!!テスト勉強でヒロ君にお世話になったんでしょ!?恩があるなら返しなさいッ!!それが礼儀ってものよ?!……ね!キム様。」



やっぱり……。



つーかあたし、なんかキム様に負けた気がするんですけど……。



《………、サランヘヨ~!!》



あたしはキム様の告白に背中をおされ、冴木捜しの旅に出た……。
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