許婚でたまるか!

ヒロの正義

屋上にてーーー




美香がそんな騒ぎを起こしていた頃、


ヒロは屋上にある貯水タンクの上で昼寝をしていた。




しかし決してヒロ一人ではなく……。




「ねぇ〜ヒロぉ〜。チューしようよ〜〜。」


ヒロの取り巻きの女も一緒であった。


「最近全然してくれなくなっちゃったじゃん?ねぇ〜、チューしてぇ〜〜??」


甘い声でねだる女にヒロは反応せず、
目を閉じて屋上の空気を満喫していた。



「ヒロぉ?寝ちゃったのぉ??…………えい!」




チュッ。




女は隙をついてヒロの唇にキスをした。


「……こら。勝手にするなっていつも言ってるだろ?」


ヒロは瞼を開けると、眩しそうに顔をしかめた。


「だぁってさヒロ、寝てると思っちゃったんだもん!」


「まったく…。チューくらい後でしてやるから、今は寝かせろって。疲れてるから…。」


と、ヒロは寝返りをうつと女に背を向けた。
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