許婚でたまるか!
「そ、そういえばあたし、喉渇いたので………ちょっと外でジュースを買いに…………。」


と言い残してあたしは、そろ~っと部長から逃げるように静かにその場を去った……。








「はぁ〜。あたしなにやってるんだろ。相談にのってくれてる部長を置き去りにしちゃってさ……。」


気分転換に外の空気を吸いに来たはいいものの、

やっぱり気持ちは晴れなかった。




会場の周りをあてもなくブラブラと彷徨うあたし。



気がつくと人通りも少なくなってきていた。


「…そういえばこれから表彰式があるんだよな〜。そろそろ行かないとまずいかな?」


と、踵(きびす)を返してまた会場内に戻ろうとした時だった!




ん………?




あれは…??




ちょうどあたしの視界にある人影が目に入った。


こっちからは建物の影になっていて見えにくいけど、


あたしは持ち前の視力の良さでその人影が誰なのかが分かった。





あれって、渡辺主将??





なんであんなところに……。



不思議に思って近づいて行く。




すると主将以外にもうひとつの影がそこには居た!!
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