許婚でたまるか!
優子の勢いに押されて、あたしは黙ってしまった!



なんでだよ…?


なんでそんな反応するんだよ?!


今の優子の反応は、紛れもなくその事実を知っていたことになる!!



だから、あたしを黙らせたのか!?



すると優子は静かに口を開いた…。



「私ね、渡辺先輩のこと、本気で好きなの!これが私の初恋だと思えるくらい、あの人のことがどうしようもなく……好き。」


「……っ。」


優子の眼はその感情を物語っていた…!



本気だ!



そうあたしは直感した。



「覚えてる?渡辺先輩、体育祭の最後のリレーで足を捻ったでしょ…?私、救護班だったから、その時がきっかけで話すようになったの……。」


「…………。」



あたしはただ黙って、優子の話を聞いてるしかなかった。
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