許婚でたまるか!
「サル子、お前こんなもの書いてたんだな。俺は知らなかったぞ。」


「は!?ちょっと冴木、その目の前にある本、邪魔なんだけどっ!!?とりあえず一発殴らせてもら」


「よく見てみろよ。これはただの本じゃなくて、お前の中学の時の文芸部の卒業制作本だ。」


「はぁ!?卒業制作の本?!だから何だっていう」


「人の話は最後まで聴けよ!まったく。…ほら、ここのページ。【タイトル 逢瀬と契り 名前 橘美香】って書いてあるだろ?サル子が卒業制作の時に書いた小説だろうが。」


「………え?…………んん"!!?な、何これ!!?あたしこんなもの書いた覚えないんだけどっ!!!」


「ばぁーか。そんなわけないだろ?ちゃんとお前の名前がここに…、」


「ウソだろッ!?ちょっ、貸して!!!」



冴木からもぎ取った本のページをあたしはマジマジと見る…!




ほ、本当だ……。



何であたしの名前が…………。



しかもこんな文章書いた覚え………、




ん!?


ちょっと待てよ!?



確か文芸部って冴木言ったよな?



あたし文芸部に、



………………は、入ってた!!



となると、この文章あたしがっ?!



いやでも、あたし書いた覚えが本当にない………。



するとある人物が一人、あたしの脳裏を瞬時によぎった!
< 262 / 264 >

この作品をシェア

pagetop