許婚でたまるか!
そしてあたしはコイツの鞄を持ち、冴木野郎の後ろを5m距離をあけて歩いた。



こんな奴と通学なんてまっぴらだ!!



あたしの家から学校までは歩いてだいたい30分。


普段は稽古と称してこの道のりを一人、走って通うんだけど…。



にしてもコイツ、歩くの遅いな~……。


男のくせに。


そう恨めしい視線で奴を見ていると、急に冴木野郎が振り返った!


「な、なんだよ?!」


と、なんとなく身構えるあたし。


「…猿さ、チビのくせになんであんな力強いんだよ?なんか武術でも習得してるわけ?」


「へ…?」


嫌味を言ってくるかと思いきや、普通に質問してきたからちょっと拍子抜けしてしまう。


「俺みたいな大柄な男を投げ飛ばせるワケだし。なんかやってんのかなぁー?って。」
< 59 / 264 >

この作品をシェア

pagetop