12月8日のラヴソング―拝啓ジョン・レノン様―
「カッコいいじゃないですか」
あたしは言って、ギターを抱えた。
アコギでサポートに入るのは、エリック・クラプトン役ってとこ?
マスターが、ピアノ担当のジョージ・マーティン役。
全員でコーラスを重ねに重ね、軽快なハーモニーを創る。
リズムはしなやかに安定して、軸がブレない。
その上を、個性的な3本のギターがじゃれ合って駆け抜ける。
ピアノは茶目っ気たっぷりに、弦楽器たちの間で踊る。
楽しかった。
ホワイトアルバムの夜は更けた。
手玉に取られたのは、あたしのほうだったかもしれない。
「また来るよね?」
そう言われて、うん、と答えた。
近くもないこの場所に、あたしはたびたび通ってる。