12月8日のラヴソング―拝啓ジョン・レノン様―
ギターは女っていうことに、あたしは満足してる。
それは、つまりね。
歌うあたしの体は、ギターと1つになれるってことでしょ。
骨盤にピタリと沿わせたギターの重み。
腕を持たない“彼女”は、あたしの腕を操って歌う。
あたしは、体の奥から筋肉を引き絞る。
上へ上へと。
熱い歌声を、腹へ胸へ喉へ口へと噴き上げて、唇から放つ。
“彼女”とあたし、2つの音色が、1つの歌を奏でる。
女は水だ。
あたしもギターも、同じ。
あたしは感じる。
彼女とあたしは、温かな水の中で共鳴する。
ゆるゆると溶け合う。