12月8日のラヴソング―拝啓ジョン・レノン様―
弘樹といると、頭がぐちゃぐちゃする。
こんなの、うっとうしくて。
だから、逃げ出したくなる。
あいつはあたしを追いかけてくる。
それでまた、不安になる。
いつ、追いかけてくれなくなるんだろう?
昔はわからなかった歌の意味が、あるとき不意に理解できたりする。
そんなふうに、人の心なんてコロッと変わっちゃうものだから。
あたしへの興味をなくす可能性が1グラムでもあるなら。
“好き”とか言わないでよ。
態度にも出さないで。
そんなふうに、あたしは弘樹を突き放す。
それでもまだ弘樹が追いかけてくるのを確認して、安心する。
だけど、12月8日はやりすぎたかな……?