12月8日のラヴソング―拝啓ジョン・レノン様―


マスターが、ほぅっとため息をついて、タバコに手を伸ばした。

ラッキーストライクだ。

強いのを吸うんだな、オジサン。


「まあ、ようこちゃんの選択で、いいかもしれないよ。

今の時代、メジャーで店頭にCD置いても、売れないからね。

でも、インディーズのライヴシーンで手売りすれば、売れる。

メジャーみたいに大手事務所を介さないぶん、儲けも大きい」

「……そーですね」

「そーだよ。

ようこちゃんの歌とギターとルックスなら、絶対に売れる。

チャンスはどんどんやって来る。

保証するよ。

アイドル路線じゃない実力派ってね、必ず需要があるから」


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