12月8日のラヴソング―拝啓ジョン・レノン様―
ライヴの開演時間は、あっという間にやってきた。
お客さんは顔なじみばかりだ。
午後6時ちょうど。
マスターがライヴのスタートを告げた。
あたしとサポートオジサン2人は、もうスタンバってる。
どんなに客席が近くてハコが貧弱だろうと。
どんなにステージが低くてスポットライトがみみっちかろうと。
ステージの上は、あたしの大好きな場所。
タバコと酒の匂いがするハコを、ぐるっと見渡す。
空調の乾いた風が、あたしの髪を正面から吹き流す。