今宵、月下の夜に
だけど、俺は滝沢瑠奈という人をよく知らない。

咲希の知り合いで、赤いガーベラを選んだ人。

知ってるのはそのくらいだった。


協力すると言われても信用できるかなんてわからなかった。ただ。

どういうわけか俺は今目の前にいた彼女を信じたいと思った。


もっと彼女を知りたいと思った。


最後にみた笑顔に名残惜しく感じながら、彼女が去っていった場所をしばらく眺めていた。
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