今宵、月下の夜に
目の前まできてわたしをぎゅっと抱き締めた。

久しぶりの温もり。


「ごめんな。もう大丈夫だから」

優しく囁いてくれる。

大丈夫は彼の口癖。


どんなときもそうやって安心させてくれた。

「愁ー…」

わたしもこれでもかというくらい強く抱き締め返した。
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