今宵、月下の夜に
現場にクロスをおくそのやり方は、まるで生死を下す闇の審判者と呼ばれていた。

黙ってカクテルを飲むその人物に目を向けながら辺りを見回した。


きっとここにいる人たちはこの気品溢れる彼女がそんな人だなんて夢にも思わない。


「とりあえずもう一度乾杯しましょ」


私に目を向けてそう言った杏那にグラスを合わせた。
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