君のココロの向こう側
隆太郎に抱き抱えられた智也くんに靴を履かせようとするけど、巧くいかない。

指先が──震えてる。



「峰……?」

「ごめ……。すぐやるから」



心臓に針が刺さったみたい。

ちくちくちくちく、痛いよ。



「あ……、靴いいよ。車で来てるし」



気を遣ってくれたのか、私の手からひょいっと靴を奪った隆太郎。

そんな隆太郎の顔を、真っ直ぐに見れなくて。



「そういや峰、保育士になりたいって言ってたな。夢叶えたんだ」

「……うん、まぁ。そっちは……結婚したんだ」

「……あ、……あぁ」

「子供までいるなんて、ほんとびっくり」



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