君のココロの向こう側
ココロ、さん。
もう数えられないくらい考えた、“あのときもし、違う道を選んでいたら”。
そんな“忘れられない人”が、ある日突然、何の前触れもなく現れた。
そんな彼はまるで、どんなに手を伸ばしても届くことのない、月。
『え、それで⁉︎あんた、頷いちゃったの⁉︎』
耳元で瑞穂の声が響く。
煩いなぁ、と思いつつ横目に時計を見ると、デジタル画面はちょうど22時を映していた。
「……うん」
『……はぁ。彩乃とは短大時代から一緒だけど、今日程あんたのこと馬鹿だって思ったことないよ』
「……ごもっともです」
一人暮らしのアパートに帰宅し、一通り家事を終わらせて落ち着いたら自分が今置かれている状況に怖くなって。
瑞穂に泣きついたら、盛大な溜め息が返ってきた。
『ていうかまさか……智也くんのお父さんが彩乃の元彼なんてねー』
「ほんと。心臓止まるかと思ったよ」
そんな“忘れられない人”が、ある日突然、何の前触れもなく現れた。
そんな彼はまるで、どんなに手を伸ばしても届くことのない、月。
『え、それで⁉︎あんた、頷いちゃったの⁉︎』
耳元で瑞穂の声が響く。
煩いなぁ、と思いつつ横目に時計を見ると、デジタル画面はちょうど22時を映していた。
「……うん」
『……はぁ。彩乃とは短大時代から一緒だけど、今日程あんたのこと馬鹿だって思ったことないよ』
「……ごもっともです」
一人暮らしのアパートに帰宅し、一通り家事を終わらせて落ち着いたら自分が今置かれている状況に怖くなって。
瑞穂に泣きついたら、盛大な溜め息が返ってきた。
『ていうかまさか……智也くんのお父さんが彩乃の元彼なんてねー』
「ほんと。心臓止まるかと思ったよ」