君のココロの向こう側
その言葉に──心臓が凍りついた気がした。



「そ……だね。そのために隆太郎、東京行ったんだもんね……」

「……ん」



会話が途切れ、少しの間沈黙が流れる。

バーテンダーのおじさんが出してくれたカクテルに、私の複雑そうな顔が映っていた。



「……ねぇ、隆太郎」

「ん」

「あのとき違う選択をしてたら──私達今も一緒にいたかな……?」



言うつもりのなかった言葉。

駄目だってわかってたのに、考えるよりも先に口を衝いて飛び出した。



「……どうだろうな」



怖くて顔は見れなかったけど、きっと隆太郎もあの日々を思い出してる。

もう二度と戻らない、幸せだった時間を。



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