君のココロの向こう側
大丈夫。

私達は離れても、大丈夫──……。





そして、1月の終わり。

ポストの中に入っていた、大学名の書いた封筒を開き、私は階段を駆け上った。



「お父さん、お母さん!受かった!合格したよ!」



リビングでお茶を飲んでいた2人に、合格通知を差し出す。

それを見た2人は、今にも泣き出しそうな顔で私を見た。



「彩乃!よかったね!よく頑張ったね!」

「今日はご馳走だな!」

「うん!母さん頑張っちゃう!」



一頻り騒いで漸く落ち着いた頃、私は隆太郎に電話をかけた。

コール音が切れて聞こえた隆太郎の声は、



『もしも……ゴホッ……』

「隆太郎?」

『み、峰か……』

「どうしたの?風邪引いたの?」

『……いや、別に』



いやそれどう聞いても鼻声でしょ。



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