君のココロの向こう側
ココロ、ろく。
飲み干したグラスをバーテンダーに差し出し、おかわりを注文する隆太郎。
「お酒、強いんだね」
「まあな」
小さく笑いながら言った隆太郎の横顔を見て、また胸が苦しくなる。
お酒強いことも、夢を叶えたことも知らなかった。
ましてや結婚して子供までいたなんて。
我ながら未練がましいって思うけど、想いは燻ったまま。
変なの。
あの日別れを告げたのは私の方なのにね──……。
2月の下旬、自由登校のためがらんとした教室で、私は自分の机に突っ伏していた。
そんな私を見て、隆太郎と仲のいい佐伯が苦笑いを浮かべる。
「荒れてんなぁ」
「……煩い」
自分から呼び出しといてなんだ、と自分が嫌になる。
わざわざ来てもらったのは、そんなことが言いたいからじゃない。
「隆太郎と喧嘩した」
「……またか」
吐き捨てたような私の言葉に、佐伯は溜め息を吐いた。
「お酒、強いんだね」
「まあな」
小さく笑いながら言った隆太郎の横顔を見て、また胸が苦しくなる。
お酒強いことも、夢を叶えたことも知らなかった。
ましてや結婚して子供までいたなんて。
我ながら未練がましいって思うけど、想いは燻ったまま。
変なの。
あの日別れを告げたのは私の方なのにね──……。
2月の下旬、自由登校のためがらんとした教室で、私は自分の机に突っ伏していた。
そんな私を見て、隆太郎と仲のいい佐伯が苦笑いを浮かべる。
「荒れてんなぁ」
「……煩い」
自分から呼び出しといてなんだ、と自分が嫌になる。
わざわざ来てもらったのは、そんなことが言いたいからじゃない。
「隆太郎と喧嘩した」
「……またか」
吐き捨てたような私の言葉に、佐伯は溜め息を吐いた。