君のココロの向こう側
「峰先生、私ちょっと離れますね」



同じく遅出の先生の言葉に笑顔で頷く。

絵本を捲る萌ちゃんと、ぬいぐるみで遊ぶ智也くん。

そんな2人を見ていると、園内にインターホンが鳴り響いた。



「あ、誰か来たね」



言いつつ腰を上げる。

外を見ると、そこには見慣れた顔があった。



「萌ちゃん、お母さんがお迎え来たよ」



私がそう言うと萌ちゃんは笑顔で顔を上げ、ロッカーに向かっていった。

智也くんを抱きかかえ、外に出ると。



「遅くなってすみません」

「いえ、大丈夫ですよー。お仕事お疲れ様です」



スーツ姿の萌ちゃんのお母さんが申し訳なさそうに言うので、首を振る。

帰る支度をした萌ちゃんがぱたぱたと走ってきて、お母さんに抱きつく。



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