君のココロの向こう側
言いつつ、グラスを傾ける。

そんな私を見て隆太郎は複雑そうな顔を浮かべていた。



「もう。そんな顔しないでよ。仕事も楽しいし、十分幸せなんだから」



……なんてね。



「……そっか」

「隆太郎は仕事どうなの?楽しい?」

「あぁ。まだ2年目だしカットとかは出来ないけど、先輩もいい人ばっかりですっげえ楽しい」



少し誇らしげに言った隆太郎の横顔は、目は、きらきらと輝いている。

隆太郎が東京行きを選んだのは間違いじゃなかった……か。



「み──」



隆太郎が何かを言いかけたとき、



──ヴーヴー……

鞄の中でケータイが震えた。

隆太郎に断り、電話に出る。

相手は、園長だった。



「峰です」

『あ、峰先生?お疲れのところごめんなさいね』

「いえ。どうなさいました?」



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