君のココロの向こう側
「もう、萌ったら。靴とって来なさい」

「はーい!」



嬉しそうに靴箱に向かう萌ちゃんの後ろ姿を、お母さんは目を細めて眺めている。

親にとって子供って、本当に宝物なんだなぁ……。

そう考えると、ちょっとだけ子供が欲しいと思ったりするけど。



「まま、くつはいた!」

「そう。それじゃ、峰先生にさよならして」

「せんせ、ともやくんも、またあしたね!さよなら!」

「はい、さよなら」



2人が門を出たのを確認し、部屋に戻る。

お利口にだっこされてくれていた智也くんを床に下ろすと、ちょこんと座ってからきょろきょろと周りを見回した。

1歳児ってやっぱり小さいなぁ。

おもちゃの方へ移動していく智也くんの様子を眺める。



「智也くーん」



名前を呼ぶと、智也くんはぱっと振り向いて。

ハイハイでとことことこっちに向かってきた。



「だ」



私の元に辿り着き、笑顔で私を見る。



あぁ……!

可愛い!

癒される!



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