君のココロの向こう側
──プツッ……

規則的な音が途切れ、次に聞こえたのは──



『……もしもし』



4年ぶりに聞く、懐かしい声だった。



「さっ……佐伯⁉︎」

『……誰?』

「私!峰彩乃!高校のとき同じクラスだった……!」



よかった、繋がった……!

電話の向こうの佐伯は、吃驚したように「え」と声を漏らした。



『峰って……ほんとに峰か?』

「なんで嘘吐かなきゃなんないのよ!」

『だ、だって……』



まるで信じられない、といった様子の佐伯に、笑いが込み上げる。



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