*・.。*4度目のクリスマス・*:.。.*
他に何もいらない。
何も望まない。
キミとの思い出は、いつだって温もりに溢れて。
暖かかった。
あ、でも。
一回だけ怒らせたことがあったよね。
懐かしいなぁ。
あんなに怒った仁ちゃん、初めてだったし。
そう、あれは付き合って1年が経とうとしていた、高校3年生のクリスマス直前のこと。
「なんで俺以外の男と楽しそうに喋ってんだよ?」
冬休みに入る終業式の日。
日直だったわたしは、もう一人の日直の男子生徒と戸締まりを確認して教室を後にした。
日誌を提出しに行った後、下駄箱で待ってくれていた仁ちゃんと合流。
だけどその顔は、眉間にシワを寄せて明らかに不機嫌そうな感じだった。
「え?日直だったし」
怒りを含んだ瞳。
そんな目を向けられるのは初めてのことだったから、なんだか胸が苦しかった。
別に特別仲良くしていたつもりはない。
普通だと思う。