*・.。*4度目のクリスマス・*:.。.*
涙が溢れそうになるのを堪えて、気まずい中無言のまま並んで歩いた。
その横顔が明らかに怒っていたから、謝ろうにも言葉が出て来ない。
いつもは手を繋いで歩く帰り道。
今日はなんだか、やけに寂しくて仕方なかった。
────────────……
「……ごめん」
ベッドから起き上がって、床に散らばった制服を拾い上げ、素早く身にまとっていたわたしの耳に届いた仁ちゃんの切なげな声。
「…………」
部屋の中は薄暗くて、表情までは良く見えなかった。
謝るのはわたしの方なのに。
仁ちゃんの『ごめん』は何に対してのモノ……?
「奈友……」
ーーギュッ
カッターシャツのボタンを留めていたわたしの手を、仁ちゃんのゴツゴツした手が阻止した。
指を絡め取られて、ギュッと繋がる手と手。
温かい仁ちゃんの手。
いつも優しかったその手付きは、今日は少し乱暴で強引だった。
「強引にこんなことしてごめん」
ーーグイッ
「きゃあ」
そのまま引っ張られたわたしは、仁ちゃんの胸の中にすっぽり収まる。